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ライトフレームとは額装の一種です。内部照明付きで額装することまたはその額のことをいいます。
正面から見たところは普通の額と同じですが、額の後部に奥行3〜7センチの枠(泥足といいます)をつけ足し、泥足内のライトで照明する仕掛けとなっています。
泥足付きの額も市販されていますがライトフレームとしては使いづらいことがあります。当工房では普通の(泥足のない)額を購入し木枠は自分で誂えています。ライトはLED、電源は主に3VのACアダプターを使います。
ライトフレームは一般には市販されていないので、入手されたい場合は後段の製作手順を参考にして自作されるか当工房にご相談ください(製作講習もあります)。
内部照明とフレーム構造との効果で額中の作品が明るく浮かび上がります。ライトや配線は外からは見えません。そのため通常の額照明(外部からの照明)のように外から光が当たっているというのではなく作品そのものが光を放っているように感じられます。
ただのポストカードでも意外なほどの生命感やスケール感を見せることがあります。
使用例では主にポストカードを額装していますが、立体作品も置くことができます。泥足の奥行を長くすればジオラマを置くことも可能です。
ライトフレームの照明効果が最も良くわかるのはペーパークラフトや3Dシャドウボックスのような半立体作品かもしれません。
置き場所としてはテープルの上や本棚などに。薄型のライトフレームであれば壁にかけて照明器具として使うこともできます。
部屋やお店で装飾灯のように使われることを想定していますが、音楽会や絵本の読み聞かせ会、あるいは結婚式の披露パーティなどで使えば雰囲気を盛り上げる素敵な小道具になってくれるかもしれません。
(1) 気に入ったクリスマスカードを飾りました。このページの後段でこのフレームの製作手順を解説しています。
(2) いわさきちひろさんの水彩画のカード。鮮やかでやさしい色彩が額内照明で浮かび上がります。
(3) 藤城清治さんの切り絵のカード。切り絵との相性は抜群で、本当に後ろから光を透過させているように見えます。
(4) 横長のクリスマスカード。絵柄に空がある場合はたとえ夜空であっても青色の光を当てると映えます。
(5) 昔のポスター図柄を復刻したカード。古い絵柄を飾ると博物館で陳列ケースを見ているように思えたりします。
(6) これもクリスマスカードです。絵柄左の壁にスポットライトが当たっているように見せているつもりです。
(7) ディズニーの絵柄はライトフレームによく合います。ステージにスポットライトが当たっているような明かりにしました。
(8) フレームの中に切り紙細工を入れたもの。額装というより照明器具そのものです。単純な細工ですがいい陰影を作っています。
こちらは泥足を二段構造にし、後部にもライトのスペースを作ったものです。泥足の中程にカードを置くと後ろからの光がうまく透過します。絵に描かれている灯りが本当に光っているようにも見えますしイルミネーションや星のように見せることもできます。
(9) ツリーに電球、空には星が光っているように見せる試みです。カードに小さな孔を開け裏面にもLEDを置いています。
(10) 二つ折りのカードを切り離し、前後1センチの間隔を空けて置きました。間にもLEDを配置したところ不思議な立体感が生まれました。
(11) これも元々二つ折りのカードです。カードの間の明かりがステンドグラスから透けて見えるので、とても奥行があるような錯覚をします。
(12) 切り紙細工です。緑色の布を裏に貼ってツリーの形にしました。MERRY XMASの文字も切り抜きです。
(13) これも元は二つ折りのカードです。ドアの向こうにクリスマスツリーがあり、ようく見るとイルミネーションが光っています。
(14) #13に同じ。フレームに近づくとそれまで見えなかった左右の隅も見えるようになります。これは右奥をのぞいてみたところ。ドアの向こうもよく見えます。
(15) #13に同じ。これは左奥をのぞいたところです。このように見える範囲が変わるために錯視的効果が生まれるようです。
最初にライトフレームの外枠を作ります。
(1) 額と泥足の材料。左は市販の縁(ハガキサイズ用)、右は泥足の材料(厚さ6ミリのシナベニヤ)です。
(2) シナベニヤを井桁に組みます。額の外寸よりタテヨコとも2〜3ミリ小さくします。奥行は3.5センチとしました。
(3) 泥足の内部を黒く塗装します。ツヤ消し黒色のラッカースプレーを使いました。
(4) 裏ブタを厚さ2ミリのベニヤ板で切り出しておきます。泥足の内側に向く面は黒く塗装しておきます。
つづいてマットを加工します。
(5) マットを加工します。好きな色のイラストボードと黒色のボード(厚さ1ミリ)各1枚です。
(6) イラストボード(左)にはハガキサイズ(10x15センチ)、黒ボードにはやや小さめ(8x12センチ)の窓を開けます。
(7) 黒のマットには奥行1〜1.5センチのヒサシをつけます。ライトや配線が見えないようにするためです。
(8) マットを額にはめ前面から見るとこんな感じになります。黒マットの窓サイズが飾るカードよりも小さいところがミソです。
最後に配線とライト(LED)取り付けです。泥足の装飾(布貼り)も行います。
(9) 泥足の内側に配線用銅テープを貼ります。2本のテープを約1センチぐらい間隔でほぼ一周させます。
(10) 泥足の外側に装飾用の布を貼ります。
(11) 布の端を泥足の内側に折り込み、全体を額の裏面に接着します。木工用ボンドで接着できます。
(12) 電源コードをハンダ付けします。LEDには極性があるので+とーがわかるようにしておきます。
(13) LEDを直接ハンダ付けします。ここでは3Vの電源を使うため、LEDに抵抗をつける必要がありません。
(14) LEDの配置は自由ですがここでは上部に青色x2、左右の中ほどに白色x2、下部にろうそく色x2としました。
(15) 点灯を確認します。光が拡散するようにLEDにはシリコンキャップをかぶせています。
(16) 裏板の内側(黒く塗装済み)に額装するカードをテープ留めします。
(17) 電源コードをターミナルにつなぎます。ターミナルは3VのACアダプターにつながっています。
(18) これで作業は完了。これは点灯する前の状態ですからカードが少々くすんで見えます。
(19) 点灯したところです。空の青色、下の住宅の明かりの色がうまく強調されています。
裏ブタを加工して配線パーツを取り付けると、フレーム側でもON-OFFができて使い勝手がよくなります。またACアダプターが直結できるのでターミナルもなくてすむようになります。
(20) 裏ブタの脇のスペースに配線パーツを取り付けました。
(21) 下(手前)からDCジャック、ヒューズホルダー、スイッチです。
(22) 裏面から見たところです。スイッチは上につけた方が使いやすいようです。
(23) ACアダプターをこのように直結することができます。
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(順次ご紹介していく予定です)