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ドールハウスの配線方法はいろいろありますが、ここでは初めての方でも簡単にできる簡易ターミナル方式を紹介します。
簡易ターミナル以外の方法についてはこのページ後段の「その他の配線方法」で概略を説明しています。
なお銅テープ方式については【詳細ノート・配線の技術】銅テープを使った配線で詳しく解説しています。
このページの主な内容ACアダプターと簡易ターミナルを使う方式です。設置もメンテナンスも非常に簡単です。簡易ターミナルを設置するスペースさえあればどのようなドールハウス(またはジオラマ)でもこの方式で配線できます。
配線のために使うパーツは12V用ACアダプターと簡易ターミナルです。ライト以外に必要なものはこれだけです。
ここでは容量1A(アンペア)のセットを使用します。容量1Aで電球13個まで長時間点灯させることができます。
簡易ターミナル設置に必要なのはプラスドライバーだけです。
ニッパーはコードをカットしたりビニール被覆をむいたりするのに使います。なければペンチやカッターでも代用できます。
ここでは右写真のボックスを使って配線します。数部屋あるドールハウスの場合もやり方は同じです。
12V用のミニチュアライトを使います。
V(ボルト)は電圧のことです。アダプターとライトは必ず同じ電圧のものを使用してください。電圧が違うとライトが一瞬にして切れる(壊れる)ことがあります。
(1) 簡易ターミナルをドールハウスの裏面などに付属のネジで固定します。
(2) ライトにプラグが付いているときは外してコードの先端を約1センチ剥いてください。
(3) ハウスの壁にキリなどで孔を開けライトのコードを通します。
(4) コードをターミナルの左右の穴に1本ずつ差し込みます。LED以外はどちらのコードを左右にしても構いません。
(5) ターミナルとACアダプターをつなぎ、アダプターをコンセントに差し込めば点灯します。
(6) ライトを2個以上つけるときは、他のライトのコードも左右に振り分けて差し込みます。コード10本ぐらいは入ります。
(7)コードが増えると差し込みにくくなります。左右のコードをそれぞれこのようにまとめると入れやすくなります。
(8) 容量1AのACアダプターセットで電球13個まで長時間点灯させることができます。(詳しくは次節参照)
(1) ライトが増えるとコードが乱雑になりがちです。長すぎるコードはカットして整理しましょう。
(2) コードをマスキングテープで留め、押さえ金具を通すときれいになります。コードを引っかける心配もなくなります。
(3) このボックスも簡易ターミナルで配線した作品です。容量1AのACアダプターでもこれぐらいのライトを点けることができます。
(4) こちらも容量1AのACアダプターと簡易ターミナルで配線した作品です。
電球を多く点けたい場合、自分の(あるいは購入しようとしている)ACアダプターで何個まで電球がつけられるかを知っておかなければいけません。
ACアダプター・簡易ターミナルには容量1A(アンペア)のものと2Aのものがあります。その機器に最大どれだけの電流を流せるか(つまり、ライトを何個までつけられるか)」を表していますので、容量と言わず最大電流と呼ぶ場合もあります。
容量1Aの機器の場合電球13個までは長時間点灯させることができます(使用電流60mAの麦球基準)。ACアダプターの容量は必ず表示してあります(右写真の赤い矢印の部分)。
実際には麦球だけでなくいろいろな種類の電球が使われているでしょうが、ここでは簡便的に全て麦球とみなして13個以下にしておけばまず大丈夫だろうということです。詳しくは詳細ノートをご覧ください。
【詳細ノート・配線の技術】アダプターの容量(ライト何個まで点けられるか)
13個というのは電球の数であってライトの数ではありません。例えば電球が5個付いているシャンデリアがあれば、それは1個ではなく5個と数えます。
2Aの場合は容量が2倍になりますから、電球26個まで長時間点灯させることができます。
大型のドールハウスなどで電球が26個を超える場合は容量2AのACアダプター・簡易ターミナル1セットではまかなうことができません。
その場合は、照明全体を2ブロック(1Fと2Fとか、右半分と左半分とか)に分けてそれぞれを単独のACアダプター・簡易ターミナルで配線すれば大丈夫です。この場合、分けたブロックの一つが電球13個以下になるのであれば、そのブロックは容量1Aのもので配線することもできます。
(1) コードの被覆を約1センチむきます。ニッパーでうまくむけないときはカッターで軽く切り込みを入れるとツメでもむけます。
(2) 被覆をむいた導線の根元を直角に交差させます。
(3) 5〜8回程度指でよりあわせます。根元がゆるまないようにしましょう。
(4) より合わせただけでは後で外れることがあります。導線の真ん中辺りから二つ折りにします。
(5) 二つ折りにしたまま横に寝かせます。団子状になってしまうとチューブが通らなくなるので注意。
(6) 収縮チューブ(1ミリ径)を1.5〜2センチぐらいにカットしてつなぎ目にかぶせます。
(7) チューブにハンダゴテを当てて熱で収縮させます。ハンダゴテの温度ではチューブが融けたり燃えたりする心配はありません。
(8) 収縮後の様子です。チューブが密着するので外れません。導線がはみ出していたらやり直してください。
(9) ハンダゴテが使えない場合はグルーガンでも収縮させることができます。ハンダゴテよりは少し時間がかかります。
(10) グルーガンというのはホットボンド用の器具です。100円ショップやホームセンターで購入できます。
(11) ハンダゴテもグルーガンも使えない場合はロウソクなどの炎にかざして収縮させます。近づけすぎるとチューブが燃えるので注意してください。
収縮チューブを使わないでつなぎ目にビニールテープを巻いているのを見ることがありますが、これは案外危険です。コードが細いためにテープをしっかり巻き付けることができず、そのうち粘着がゆるくなってしまうのです。何年か経ったものを見ると、ビニールテープが完全につなぎ目から外れてしまっていることがあります。
(1) ここでは黒色コード2本を赤色コード1本にまとめることにします。
(2) 3本のコードを一回でより合わせるのは難しいのでまずコード3本のうちどれか2本をより合わせます。
(3) 次に(2)でより合わせたものと残りのコードをより合わせます。
(4) これで3本をより合わせることができました。
(5) より合わせた金属線を2つ折りにします(抜けるのを防ぐためです)。
(6) 2つ折りした金属線を延長側のコードの方に倒します(コードの数が少ない方に倒してバランスを取る)。
(7) 収縮チューブ(2ミリ径)を1.5〜2 センチ長にカットしてつなぎ目にかぶせます。
(8) ロウソクなどの熱で収縮させます。火傷をしないように注意してください。
当サイトで販売している簡易ターミナルにはヒューズホルダーが装着されています。ヒューズが切れた場合の取り替え方を説明します。
(1) 簡易ターミナルのコード途中に装着されているのがヒューズホルダーです。
(2) ハンコケースを開けるのと同じ要領でフタを開けます。
(3) 中のヒューズを取り出し、切れているかいないか確認します。
(4) ヒューズ管の中の細い金属線が繋がっていれば切れていません(拡大写真にすると金属線が見えます) 。
(5) ヒューズが切れていたら新しいものと取り替えます。必ず前と同じアンペア用のものにします。
(6) ヒューズの片端に何アンペア用か刻印されています。これは1A用です。
(7) 元どおりフタを閉めれば取り替え完了です。
ハンコケース型以外のものもあります。
(1) こういう形のヒューズホルダーもあります。開けるときはちょっとコツがいります。
(2) 両端を持ち、中央に押し込みます。そのままの状態で上下のパーツをねじると簡単に離れます。
(3) このように開きます。ヒューズを交換したら(2)と逆の手順で閉めます。中のバネを無くさないようにしてください。
簡易ターミナル方式以外の主な配線方法としては次のようなものがあります。
● 銅テープ方式
● 大型電源による配線
小型のドールハウスで簡易ターミナルを置くスペースがない場合とか、ドールハウスの裏面にコードを長く出したくないといった場合には銅テープ方式が有効です。
銅テープ方式については【詳細ノート・配線の技術】銅テープを使った配線 で詳しく説明しています。
簡易ターミナル方式に加えて銅テープ方式をマスターしておけばドールハウスの配線技術としてはほぼ十分と言えるでしょう。
ライトをたくさんつけたい(電球26個超)場合、ACアダプターなどの機器が2セット以上になるのを避けたいのであれば大型電源・配電装置を作る必要があります。
このようなニーズはほとんどないものと思われますが、留意点だけ挙げておきます。
(1)電球の数に合わせて最低でも4Aの電源(ACアダプターまたはスイッチング電源など)を用意しなくてはいけません。
(2)またこの場合でも全体を2A以下の小ブロックに分けておく必要があります。その上でその小ブロックごとに2A以下のヒューズをつけておかなければいけません。
その理由は、小ブロックごとのヒューズを省略して全体のヒューズ(4A以上)だけにしてしまうと中程度(3〜4A)の漏電が生じたときに対応できないからです。中程度の漏電でもミニチュアライトの非常に細いコードを過熱させる危険性があります。
したがって全体のヒューズ(これは電源を保護するもので絶対に必要)の他に小ブロックごとのヒューズ(2A以下にして回路を保護するもの)とを併設する必要があるのです。
電池(ボタン電池、乾電池)を使う方法、プラグ式ターミナルを使う方法などがありますが説明は省略します。
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