【オープンギャラリー】 OG-013
2弾シャンデリア(ヨーロピアンパレス)の改造

展示整理番号
OG-013
製作者
MASAKI(東京都)
作品タイトル

2段シャンデリア(ヨーロピアンパレス)の改造

ジャンル
ドールハウス(照明器具改造)
OG013
スケール
約12分の1
製作時期
2009年(製作途中)
展示開始
2009年9月
その他

画像ごとの解説は作者ご自身によるものですが、一部管理人が補足しました。

 

【作品の紹介(by 管理人)】

ここでご紹介するMASAKIさんも、#012の長澤さん同様、「ヨーロピアンパレス(デアゴスティーニ社のドールズハウスシリーズ)」のシャンデリアを独自の工夫で改造されています。

最初のシャンデリアが配付されたとき(ヨーロピアンパレス125号)に、照明に興味がわいてきて改造を始められたそうで、5灯シャンデリアの改造後の写真を送っていただきました。改造過程も見せてほしいとお願いしたところ、130号で配付された2段シャンデリア改造の写真を送ってくださいましたのでご紹介します。

改造の手順そのものは、オープンギャラリー#012でご紹介しているやり方とほぼ同じということですが、ソケットには差込球用ソケットの(大)を使われています。しかしこのソケットだけでは元の電球軸(ロウソク軸)の長さに足りないので、ソケットを長く伸ばす工夫もされています。

MASAKIさんの苦労談と様々な工夫をご覧ください。

OG013

(1) 改造前

「ヨーロピアンパレス」130号で配付されたダイニングルーム用の2段シャンデリア(改造前)。上4灯、下6灯、計10灯の豪華なシャンデリアです。

電球のガラス部だけは付いていますが、点灯はしません。

OG013

(2)分解を始めたところ

2段シャンデリアの軸部はネジ式になっていて、上下に分けられます。飾りパーツも簡単に外せます。

OG013

(3) 上段は4灯です。中心は空洞で、結線部を収納するスペースとして利用します。

OG013

(4) 下段は6灯です。

(5)改造ソケットを作るためのパーツ

左から透明ストローの切片(補強用)、綿棒の軸(ソケット底上げ用)、2ミリ径の収縮チューブ、差込球ソケット(大)です。

OG013

(6)ソケット完成

(5)のパーツを組み合わせて作った改造ソケットです。作り方の詳細は(13)にあります。

OG013

(7)元のシャンデリアについていたロウソク軸を取り外し、全て(6)の改造ソケットに置き換えたところです。

上段(右側)の軸からは4灯分、下段(左側)の軸からは6灯分のコードが出ているのが見えます。

OG013

(8)(7)を横から見たところ。

OG013

(9)上段と下段をつなぎ、配線用のコードを通したところです。このあとソケットのコードと結線し、空洞の中に収めます。

OG013
OG013

(10)ロウソク(ソケット)の受け皿に使うパーツ

ミニチュアのサラダボールを加工して穴を開け、クリスタルビーズを留められるようにしました。

なお、このサラダボールの購入については「すいーとあっぷるぱい」さんに大変お世話になりました。

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(11) 受け皿をつけ、クリスタルビーズを取り付けたところです(写真左)。

右は同じく「ヨーロピアンパレス」の5灯シャンデリアです。

OG013

(12) 点灯したところ

(13)【改造方法について】

MASAKIさんのお便りの中から、改造方法について書かれた部分を抜粋、補足させていただきました。MASAKIさんは5灯シャンデリアの改造について書いていらっしゃいますが、手順・方法としては2段シャンデリア(10灯)とほぼ共通だろうと思います。

〈全般的な改造手順について〉
(オープンギャラリー#012でご紹介している長澤啓一さんと)全く同様の経過をたどっています。

〈元のソケット部分を取り除く〉
ソケット部分の接着が強力で苦労しました。ソケットにあたる部分はペンチで取れますが、5灯のうち1灯ぐらいは取れにくくて苦労しました。1本は途中で折れたので、ニッパーでカットしました。

〈ソケットの延長〉
問題になったのは、ソケットの長さでした。ロウソクに見せたいため元々のソケットと同じ長さにしたかったのですが、差込球ソケットは元のソケットよりも短く、長くするのに苦労しました。

長さの足りない分は綿棒の軸をカットして足し、差込球ソケットと一緒に収縮チューブで包みました。しかしこれだけではグラグラするので、透明ストローを補強材として使います。透明ストローを元のソケットの長さにカットし、さらに4分の1にタテにカットして添え木のように入れておきます。

こうして作ったソケット(写真6参照)をシリコンのコーキング剤などでシャンデリアの受け大に固定しています。

〈結線〉
次に苦労したのが、やはり収縮チューブでの結線です。5本の線を1本の線につなぐとき、2ミリの収縮チューブを使うと太くなりすぎて軸の空洞部に収まらないので、1ミリの収縮チューブを使用しました。

空洞部に余裕がないので、かなり慎重になりましたが、軸の下部が丸いふくらみになっていて、その中も空洞なので、結線したものをそこに少し押し込んでやると余裕がうまれます。ロウソクの炎であぶる時にも他の配線を熱で溶かさないようにしました。

漏電など他のトラブルが一番怖いので、いい加減にしないで安全に安全を重ねる必要があります。

(14) 2段シャンデリア以前に改造した5灯シャンデリア(2個)と3灯シャンデリアです。

OG013

(15) 5灯シャンデリアは最終的にこのようにクリスタルビーズを飾り付けました。

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(16) 5灯シャンデリアを点灯させたところ(この写真はクリスタルビーズを飾り付ける前に撮影)。

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(17) 129号で配付されたペンダント灯も改造して点灯できるようにしました。

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(17) 現在までに改造したシャンデリアの全容

5灯シャンデリアは追加パーツも購入しました。右下のボックスにあるクリスタルビーズは、2段シャンデリアの追加パーツに取り付ける予定のものです。

ヨーロピアンパレス本体はまだ製作していないので、ダンボールのシャンデリアマンションに飾っています。

【管理人より】

MASAKIさんは、ヨーロピアンパレスの建物自体はまだ製作されておらず、最初にこのシャンデリアの改造に取り組まれたそうです。

はじめのうちは失敗もされたということでしたが、2段シャンデリアの改造の手際は見事なものです。見た目には元のシャンデリアと寸分の違いもありません。

#012でご紹介している長澤啓一さん同様、独自の工夫でここまで改造されたことに全く驚きます。よく聞いてみると、照明器具を製作されたこと自体これが最初だということですから、ますます驚きです。

これだけの改造をされる技術と忍耐強さがおありなので、ヨーロピアンパレス本体も間違いなく立派なものが出来上がると思うのですが、他のキットはまだ箱に入ったままだそうです。

これだけいろいろのアイデアをお持ちの方ですから、恐らく建物もマニュアル通りに作るということはされないのでしょう。それだけに時間もかかりご苦労もあることでしょうが、ぜひオリジナルパレスも見せていただきたいものと期待しています。

なお、オープンギャラリー#012のところでも書きましたが、このシャンデリアを改造するのは決して簡単ではありません。自分もやってみようと思われる方は、決してケガや事故のないように、くれぐれもご注意ください。

でも、明かりが点くと本当にきれいですよ。

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